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お天気,暦,競馬などに関するメモです。以前発行していたメルマガ「能天気Express」のブログ版みたいなものです。

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お知らせ
2008年6月2日以前の記事は他のブログからインポートしたため,画像へのリンクが切れています。画像の元データはどこかにあるはずですが,どれがどの画像だったのかわからなくなっているし,新たにサイズなどを変換するのが面倒なため,問い合わせをいただいても画像を復活させることはしません。まあ,大して貴重な画像があるわけではないですから(笑)

だいたいこの時期に取り上げる話といえば,「二・二六事件」か「桜田門外の変」になってしまいます。桜田門外で井伊直弼の首が挙げられたときには,定説どおりに雪が降っていたので,面白くもなんともありません。しかも私は幕末史がきらいですし……。もっとも,昭和史も幕末史に劣らずきらいなのですけれどね。

二・二六事件とは,いくつかの歴史書を総合すると,次のような事件です。

1936年2月26日早朝,降りしきる雪の中,皇道派の青年将校率いる第一師団歩兵第一連隊,同第三連隊,近衛歩兵第三連隊の将兵約1500名からなる反乱軍は,陸相官邸,警視庁,内大臣私邸,蔵相私邸,首相官邸などを次々と襲撃,斎藤実内大臣,高橋是清蔵相,渡辺錠太郎教育総監らを殺害し,鈴木貫太郎侍従長に重傷を負わせ,永田町一帯を占拠した。(その後についてはここでは関係ないので略)

ここで問題なのは“降りしきる雪の中”という部分です。歴史書から音声を変えて引用すると(もちろん映像にはボカシがはいっています(笑)),「1936年2月26日の早朝,降りしきる雪のなか,皇道派青年将校の一隊は……」「25日の夜半から東京は30年ぶりという大雪が降りはじめた」などとあります。他の本にも似たような記述があるものが何冊かありました。

これらの本の筆者がどこで何を調べて書いたのかは知りませんが,事実に反する記述です。

大手町にあった中央気象台の観測原簿によると,24日から25日にかけては降雪は観測されておらず,雪が降りはじめたのは26日の08時08分でした。

反乱軍が兵営を出たのは04時か04時30分ごろで,陸相官邸襲撃が05時ごろ,内大臣私邸襲撃が05時05分ごろ,首相官邸襲撃が05時10分ごろで,政府要人に対する襲撃は07時までにあらかた終わっています。襲撃場所の大半があった永田町と大手町の中央気象台とは2km程度離れているので,若干の時間の前後はあるでしょうが,それにしても「降りしきる雪の中……」などということはありません。

しかし,当時の写真を見ると,26日の早朝に雪が積もっているのは事実です。実はこの雪は23日に降り積もった雪が残ったものです。23日は,04時40分から降りはじめた雪が20時45分まで降り続き(その後,みぞれから雨に変わった),20時に最深積雪35.5cmを記録しています。この積雪は当時としては1883年の46cmに次ぐ第2位の大雪で,現在でも第3位の記録になっています。

23日に積もった雪は,24~25日には降雪がなかったにもかかわらず,気温の低さも手伝ってなかなか溶けず,観測原簿には26日09時に“旧雪の深さ”として12.0cmが記録されています。この旧雪の上に“新雪”が降り積もったわけですが,26日の観測原簿によると新旧あわせた最深積雪は21.8cmとなっています。(※現在の積雪の記録のしかたとは違います)

ところで,当時の記録を見ると,二・二六事件の直前に“天変”がいくつか目撃されています。

まず,1月5日に仙台で流星が観測されました。そして1月13~14日は浜松で,24日には船津でそれぞれ異常な黄道光が観測されました。また,1月15日には宮崎で,2月20日には木津川尻で,それぞれ日没時に異常な光象が観測されています(木津川尻のは幻日のようですが,宮崎のは記事からだけでは不明)。さらに,1月23日には鳥取県で稲妻のような閃光とともに大音響が轟きました。おそらく火球でしょう。1月26日には箱根山で5層のレンズ雲が目撃され,2月3日には古来中国で“白虹日を貫く”と恐れられた太陽柱が釧路で観測され,2月17日には根室港に蜃気楼が現われました。

天変だけでなく,地異も起こっています。2月21日,奈良県北部を震源とするM6.4の「河内大和地震」が発生,9人死亡,家屋の全半壊148棟などの被害が出ました。新聞によると,総選挙の開票中に起こったとのことです。

そして二・二六事件の前々日と前日には,東京で彩雲が観測されています。

とまあ,いろいろ並べてきましたが,どれも前兆などといえるものではありません。なんといっても,実際に兵乱が起こった東京で観測されたのが瑞兆とされる彩雲だったのですから。

 

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