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お天気,暦,競馬などに関するメモです。以前発行していたメルマガ「能天気Express」のブログ版みたいなものです。

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お知らせ
2008年6月2日以前の記事は他のブログからインポートしたため,画像へのリンクが切れています。画像の元データはどこかにあるはずですが,どれがどの画像だったのかわからなくなっているし,新たにサイズなどを変換するのが面倒なため,問い合わせをいただいても画像を復活させることはしません。まあ,大して貴重な画像があるわけではないですから(笑)

1966年9月22日21時,台風25号,26号,27号が同時刻に発生しました。台風の三つ子です。観測史上,三つ子の台風はこの1組だけです。双子の台風は何組かあり,最近では去年の台風7号と8号,2000年の15号と16号が双子です。四つ子以上の台風の記録はありません。

三つ子に話を戻すと,彼女たち[*1]は仲が悪かった――かどうかは知りませんが,それぞれ独自の道を歩むことになります。中でも26号はとくに凶暴になり,5日前に発生した24号と義姉妹[*1]の杯を交わし(?),24号の“鉄砲玉”として東日本に殴り込みをかけることになります。

●同じ日に2つの台風が上陸

24日09時の天気図を見ると,九州に上陸寸前の大型の台風24号(984mb)があり(当時の分類では“大型で並”),その東に小さいですが965mbの台風26号があります(同じく“中型で並”)。姉貴分24号と妹分26号といった感じですが,妹分のほうが強力です。しかも,24号が上陸を躊躇していたのに対し,怖いもの知らずの26号は60km/hという猛スピードで北上し,26日00時過ぎ,御前崎の西に上陸しました。これに引きずられるように24号も重い腰を上げ,10時過ぎ,高知県安芸市付近に上陸しました。記録上,同じ日に2つ以上の台風が上陸したのはこの日だけです。

この24号と26号のように,2つの台風が東西に並んだとき,東側の台風が鉄砲玉のように高速で北上してくる――という現象は,比較的よく起こります。秋雨前線と台風に出てきた1965年の24号と25号もそうでした。これは“藤原効果”の現われとみることができます。藤原効果については藤原効果と足尾台風もご覧ください。

26号は上陸後,猛スピードのまま富士山のすぐ西を通過,関東北西部,東北地方を通って三陸沖に抜けました。台風がすぐ西を通過した御前崎では24日23時 17分に最大瞬間風速50.5m/sを観測,さらに富士山では25日01時07分に国内最高となる最大瞬間風速91m/sを観測しました。

また,26号の進路付近の静岡県北部から山梨県にかけての山岳地帯と栃木県北部山岳地帯では,南よりの強風による地形性降雨によって60~100mm/hの激しい豪雨(NHK的にいえば“猛烈な雨”)となりました。

●秘湯梅ヶ島温泉

武田信玄の隠し湯とも伝えられる梅ヶ島温泉。温泉の発見は古く,記紀の時代に遡る――というような伝説の真偽はともかく,安倍川上流のひっそりとした峡谷にあることは事実です。少なくとも1966年当時はそうでした。裏を返せば世俗の交通や通信とは途絶した辺境の地ということですが,それが悲劇を生みました。

台風26号の直撃により,梅ヶ島村で25日01時までの1時間雨量が115mmを記録するなど安倍川上流では激しい豪雨に見舞われ,このため安倍川は急激に水かさを増し,2時ごろ10軒の旅館のうち8軒を押し流しました[*2]。流された旅館の中には,慰安旅行で訪れていた県経済連の20~31歳の9人の女性職員が宿泊していた泉屋も含まれており,1人は助かりましたが,8人が犠牲になりました。梅ヶ島温泉では合わせて33人が死亡または行方不明になりました。

11kmほど下流にある梅ヶ島村役場でこの惨事を知ったのは朝になってからで,それも水死体が流れてきたという連絡を受けてからだったそうです。自衛隊などの救援隊が赴きましたが,途中の県道の土砂崩れなどで,丸1日経ってもたどり着けませんでした。

全然関係ありませんが,このblogの左上に住み着いているさすらいペット,ときどき梅ヶ島温泉で休憩します。

●壊滅した文化村

山梨県足和田村では100mm/hに達する猛烈な雨が降り,25日1時25分ごろ土石流が発生しました。直撃を受けた根場集落では全戸数41戸のうち全壊32戸,半壊5戸,床上浸水4戸などほとんど壊滅状態となり,住民218人中63人の死者・行方不明者が出ました。

根場集落は豊かな森林資源によって日本一,二の文化村を誇っていました。この災害の一因が木を切りすぎたことだった――のかどうかはさだかではありません。

根場集落はこのまま廃村となりました。今も根場という地名があり,ググると“根場民宿村”などがヒットします。しかし,昔の“文化村”根場との関係は不明です。あえて書く必要がないから書いてないのでしょうが,ひたすら口をつぐんでいる感じがしないでもありません。

[*1] 当時の台風はすべて女性名なので,義兄弟ではなく義姉妹になります:-) ちなみに,24号,26号,27号の名前はそれぞれHelen,Ida,Juneで,25号には名前がありません。これは当時女性名をつけていたJTWCが台風(TS)とは認めなかったためでしょう。

[*2] “13軒のうち9軒”と書いてある新聞もあります。「気象要覧」では“11軒中9軒”になっています。

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